建築用仮設資材も、
土木用資材も。
開発の根拠となる
「技術の引き出し」を
増やしたい。

開発・技術部

川村さん

2006年入社 /
工学部 土木工学科卒業

  • 1年目

    新入社員研修を経て、本社技術部(現:開発・技術部)に配属

  • 2〜10年目

    建築用仮設資材の新商品開発・改良、実験の計画立案・実施、技術レポート作成

  • 11年目

    土木用資材の新商品開発・改良、実験の計画立案・実施、技術レポート作成

Interview.01

強さと軽さ、2つのニーズの満たす技術。地上600mの強風にも耐えられる安全なネットの開発に挑戦。

誰もやったことがないことを手がけ、壁を乗り越えること――。入社以来10年間は建築用仮設資材、その後は土木用資材の開発の最前線に立ち続けてきましたが、どちらも商品開発の面白さはそこにあると感じています。お客様や共同研究のパートナーと信頼を築き、自分なりのアイデアでどう乗り越えるか。建築用仮設資材は、お客様のニーズに応える安全な商品を世の中に供給したい、といつも思っていましたし、メッシュシート『ライトネス』は成果の一つです。重厚感ある強さと扱いやすい軽さ。反比例する2つのニーズのバランスを取るのは難しいですが、挑戦しがいがあって楽しかったですね。東京スカイツリーの建設現場用の仮設資材も設計や強度計算を担当しました。最大の問題は現場が高さ600メートル以上で、強風が吹くこと。前例がない高さですし、元となる計算式を考えることから始めました。また、墜転落を防ぐ安全ネットも、建物のスケールに合わせてサイズは当然、大きくなります。安全ネットは5×5mのサイズで重さは10~12㎏ですが、高い場所で張るほど、またサイズが大きくなるほど重くなり、クレーンが必要になるほどです。取りつけるワイヤーにもどれだけの力がかかるか、安全な強度と落下防護のシステムをどうするのか。お客様のゼネコンと何度も協議を重ねましたし、そんな高所の現場で働く職人さんは凄いな、と。ネット1枚の重量を1㎏でも軽量化できれば力になれますし、建築用仮設資材は、現場の省力化も重要な要素の一つ。より軽く扱いやすくする技術にもっと磨きをかけたい、と強く感じましたね。

Interview.02

「あるものを使って、組み合わせる」土木用資材の新たな用途を開発し、世界中で採用されるものに。

いまは土木用資材『フィルターユニット』の用途開発を任されています。河川や堤防、港湾の掘削を防護する根固め用や護岸用、橋脚の洗堀防護などの袋材として、一つの製品で多岐にわたる使い方の可能性を高める挑戦です。例えば、防護工事では国土交通省や建設コンサルタントをサポートしながら、「こんな工法と設計断面で、費用はこれだけ」と、特殊仕様の設計・積算段階から携わります。最終的に工事を請け負ったお客様からキョーワがフィルターユニットを受注するよりも、実はずっと先行する仕事。受注後も、お客様と工場の間に立ってキャッチボールを重ねながら製品化を進めています。材料から掘り下げて自由度が高い建築用仮設資材と違って、土木用資材はネットにロープ、シートなど「あるものを使い、組み合わせてカタチをつくる」感じですね。どちらも醍醐味はありますが、制約が多い分、土木用資材の方が難易度は高いですね。

いまは大学との協同研究で、メンテナンスを軽減し初期投資から廃棄までのトータルコストを改善する海洋プロジェクト用製品の開発に着手しています。世界中で採用されていくでしょうし、期待も日増しに高まっているので、やりがいがあります。また、これからの技術開発のトレンドの一つが、マイクロプラスチックなど環境への対応です。規制の厳格化を見据え、どんな次の一手を打てるか。大事なのは最新の技術情報を入手し、自らの設計開発の根拠となる引き出しを、数多く持っていることです。いまできることを一つずつ積み重ねながら、何事にも興味を持って、どんどん引き出しも増やしていきたいですね。

SCHEDULE 1日の流れ

  • (出社)メールをチェック
  • お客様依頼の施工図面から製品の配置方法や数量算出用の設計図面を作成
    図面作成後、概算工費の算出。成果品の提出
    「開発製品の試作は、工場の担当者と連携して実施します。以前は自分の意見を押し通すばかりでしたが、最近は自己主張しながらも相手の意見にしっかりと耳を傾け、取り入れるようになってきました」
  • 昼食
  • 来客対応
  • お客様依頼の構造計算資料の作成
    実験用サンプルの作成、メールを随時チェック
  • 残務処理(退勤、帰宅)

myReason

キョーワに決めた理由

大学院の教授から勧められて参加した説明会で「建築土木系の仮設資材メーカー」というレアな存在と知り、とても興味を惹かれました。昔からものづくりが好きでしたし、基礎を学んだ構造力学も活かせるかな、と。私のモットーは「いつも楽しく明るく、仕事をする」。自分が楽しいと思わなければ、ものづくりなんてできませんし、そう思える雰囲気と環境があると感じたことも、決め手の一つでした。いま、私だけでなく一緒に働く社員もみんな、楽しそうに仕事をしていますよ。

myGoal

これからの目標

まずは、いま担当する土木用資材の開発案件の市場性をどれだけ高められるか、ですね。新しい用途はないか、どうすれば市場を広げられるか。会社全体の事業展望にも直結するテーマを、技術としてどこまでバックアップできるか、日々勉強しながら追いかけています。まずは自分が「面白いな」と思ってやってみることが大事ですし、上司からも「饅頭がたくさんあっても、食べてみないとおいしいかどうかはわからないぞ」と励まされています。どんどん、いろんな饅頭の味を試していきますよ。

Message

学生の皆さんへのメッセージ

開発エンジニアは、人と人とをつなぎながら、ものをつくり出す存在です。お客様や工場に「こういうものをつくりたい」と伝えるコミュニケーション力があれば成り立つ仕事ですし、テクニカルなところは一つずつ学んでいけば大丈夫。就活や卒論に忙しいなかでも、学生時代にできるだけ多くの友人と時間を過ごし、異なる価値観に触れて目を肥やして欲しいですね。仕事も人生も必ず浮き沈みがありますし、そんな時ほど損得抜きで付き合える存在を、大切にし続けてください。